第46話
「舞は多分、客のためを思って取り置きしないでいるんだろうけど」
友季は、言いながら舞の頭をポンポンと撫でる。
「俺としては、俺のお菓子のファンでいてくれてる舞にも食べてもらいたいから」
「トモくん……」
うるうると潤み出す舞の瞳を見た友季は、
「あっ、ちょっとここではストップ!」
慌てて舞を
「今、舞にそんな目で見つめられたら、店だろうと舞のこと襲うから」
そんな友季の台詞に、
「えっ!?」
舞の涙は無意識のうちに引っ込んだ。
「……早く帰るぞ」
そう言って舞の腰を抱き寄せる友季の顔は赤く染まっていて、
「……うん」
今夜は友季の熱を感じながら眠ることになるのだと予感させられて、舞は恥ずかしそうに小さく頷いた――
――のだが。
「トモくん、ごめん……」
風呂上がりの舞が、入れ違いでこれから風呂に入ろうとしていた友季に頭を下げた。
何か朝から少しダルい気がするなぁと思ってはいたのだが、入浴前に生理が来ていたことに気が付いた。
必死に謝る舞に、友季は、
「体調は? 必要なものがあるなら、今から買いに行ってくるけど」
本気で心配そうに訊ねてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます