第39話
「……分かったよ」
渋々ではあるが、友季はやっと舞を離してくれて――
後ろから顎を掴まれて友季の方を無理矢理に向かされて、
――ちゅっ
唇が軽く触れ合うだけのキスを交わした。
「おはよ、舞」
「……おはよ、トモくん」
ドキドキしすぎて、手にしていたお椀を落としそうになる。
……まだ中身を入れる前の、空の状態で良かったと思った。
お椀2つに味噌汁を入れて、刻んだ長ネギをトッピングしてテーブルに並べる。
エプロンを外してから席に着こうとして、
「あれ? 舞のパジャマ……」
友季が、舞のパジャマのボタンのかけ違いに気が付いた。
「……あ! 俺か、それ留めたの」
自分がミスをしたことに
「ていうか、なんで直さないの?」
次に舞の顔を不思議そうに見つめた。
舞は、ふわりと幸せそうに微笑んで、友季を見つめ返す。
「トモくんの愛情を、もう少し噛み締めておきたくて」
「……は?」
舞が一体何の話をしているのか、友季にはまるで理解出来なかったが、
「まぁ、舞が嬉しそうなら、俺はそれでいいけど」
舞が笑顔でいてくれるのなら問題ないと判断した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます