第36話
翌朝。
舞が目を覚ますと、
「……?」
自分で着た覚えのないパジャマをしっかりと身に付けた状態で、友季に抱き締められて眠っていた。
友季が“暑いから俺は要らない”と言っていた毛布は、寒がりな舞の体にしっかりとかけてくれている。
ベッド脇の台に置かれた時計を見ると、朝食を作るならそろそろ起きた方がいい時間で。
「……」
友季を起こさないようにベッドからそっと抜け出した舞は、自分の使っていた毛布を細長く丸め、友季の腕の中に抱き枕のように入れておいた。
「……んー……舞……」
寝言だろうか。
舞の名前を呼びながら、毛布を大事そうに抱き締めている友季を見て、舞の胸がキュンと締め付けられる。
(あ……これ、ちょっとダメなヤツかも)
友季の腕の中に毛布を押し込んだのは舞なのに、その毛布に対して嫉妬心が湧いてきた。
けれど今、友季から毛布を取り上げれば、きっと彼を起こしてしまう。
(ぐぬぬ、毛布め……)
舞は毛布を憎らしく思いながらも、とりあえずは静かに寝室を出た。
友季のエプロンを借りて着けようとして、
「あ」
舞のパジャマのボタンが1つずつかけ違えていることに気が付いた。
舞が風邪をひかないように着せてくれたのだろう。
眠っている舞に一生懸命にパジャマを着せようとしてくれている友季を想像すると、
「……」
舞の胸が
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