第13話

正直なところ、そんなのは自業自得だと思うし、友季に対して同情する感情すら湧いてこない。



『今日、仕事が終わったら迎えに来ていいか?』



カメラ越しでも、友季が不安そうな顔をしているのがよく分かった。



何故、友季がそんな顔をするのか。



悲しくて不安なのは、舞の方なのに。



「……気が向いたらね」



だから少しくらい意地悪な答え方をしたって、バチは当たらないと思う。



『舞……』



友季の悲しそうな声に、舞の胸がぎゅっと締め付けられる。



「わざわざ仕事抜けて来たんでしょ? 早く戻れば」



恋愛至上主義者を彼氏に持った覚えはない。



舞はドアホンの通話終了ボタンを押して、友季との会話を強制的に終わらせた。



「……何なのよ」



他に女がいるのなら、舞に執着しなくてもいいはずなのに。



女性から酷くモテる彼なら、どうせすぐに新しい彼女だって出来るだろうに。



「トモくんが分かんない」



以前なら、分からなければ知りたいと思った。



けれど、今はもう、



「疲れた……」



とにかく、そっとしておいて欲しかった。

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