第13話
正直なところ、そんなのは自業自得だと思うし、友季に対して同情する感情すら湧いてこない。
『今日、仕事が終わったら迎えに来ていいか?』
カメラ越しでも、友季が不安そうな顔をしているのがよく分かった。
何故、友季がそんな顔をするのか。
悲しくて不安なのは、舞の方なのに。
「……気が向いたらね」
だから少しくらい意地悪な答え方をしたって、バチは当たらないと思う。
『舞……』
友季の悲しそうな声に、舞の胸がぎゅっと締め付けられる。
「わざわざ仕事抜けて来たんでしょ? 早く戻れば」
恋愛至上主義者を彼氏に持った覚えはない。
舞はドアホンの通話終了ボタンを押して、友季との会話を強制的に終わらせた。
「……何なのよ」
他に女がいるのなら、舞に執着しなくてもいいはずなのに。
女性から酷くモテる彼なら、どうせすぐに新しい彼女だって出来るだろうに。
「トモくんが分かんない」
以前なら、分からなければ知りたいと思った。
けれど、今はもう、
「疲れた……」
とにかく、そっとしておいて欲しかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます