第64話

まだ小学生だった頃の舞も、今自分の部下として働いている小生意気な舞も、どちらも含めて、舞のことを好きになってしまっていた。



舞が友季に対して“嫌い”という感情をぶつけてくる度に、友季は表には出さないが何度も傷付けられていた。



まぁ、そもそもは舞の入社初日に、友季が舞に酷いことを言ったのが元凶なのであるが。



「今時の若い子はすぐに訴えようとしますから。セクハラには本当に気を付けて下さいね!」



上田はそう言って、ずっと手にしていた舞のバッグを友季に押し付けた。



友季はそれを受け取りながら、



(……告白するだけでも、セクハラになったりするのか……?)



そんなことを真剣に考えていた。

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