第51話

別に、舞を束縛したいなどとは思っていないが、きっとその歓迎会ではお酒も飲むのだろうと思うと……



舞は大人で、まだ飲酒の出来ない自分は子供だと言われているような気分になる。



極力なくしたいと思っている舞との壁には、年齢の問題というのはどうしてもついてまわるもので。



直人さえ成人してしまえば、2歳差なんて気にするまでもないものになると考えていたのだが――



このままでは、直人が成人するまでに、他の男に舞を取られそうな気がする。



(……くそっ)



今すぐどうにかしたいが、どうにも出来ない事実にも腹を立てた直人は――



自分の席に戻り、丼の中のご飯を勢いよくかき込んだ。



そのまま一気に完食し、グラスの中のお茶をグイッと飲み干す。



直人の機嫌が突然悪くなったことに、先に食事を終えていた舞は気付いていたのだが……



指摘してはいけないような気がして、



「ケーキ、今食べちゃう?」



空気を変えようと、明るく声をかけてみた。



舞に対しては全く苛立っていない直人は、



「うん」



素直に頷いた。

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