第24話
俺が出勤のために毎朝同じ時間に家を出ると、毎朝同じ時間に玄関の掃除をしている彼女。
「あ、おはようございます」
俺の存在に気付いた彼女は、俺にニッコリ笑いかけ、挨拶してくれる。
「えっと……新しく引っ越して来られた方ですか?」
この毎朝繰り返される質問に、今まで何度も傷付いてきたのも事実。
けれど、どうしようもないのも事実だから。
「えぇ、まぁ……あ、そうだ。俺、本屋に行きたいんですが、もしよろしければ案内をお願い出来ませんか? 俺、方向音痴なもので……」
今日は日曜日。
俺は、休みの度にこうして彼女に案内をお願いしている。
心根が優しい彼女は、それを快く受け入れてくれて……
そして、その日の夕方頃には、昔の恋人同士だった頃のような仲になっているのだ。
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