エピローグ〜永遠にサヨナラを〜

第23話

美姫の記憶障害は、特殊だ。



周りの人間に関する記憶以外になら、障害は全くないのだから。



だから、彼女は一人でも暮らしていける。



それが十分に分かっていたから、俺は、彼女に障害者手帳が発行されるように手続きをした。



一人暮らしが出来るように、生活保護の申請もした。



何かがあった時のために、記憶障害者用の施設の手配も、済ませてある。



でも、出来るだけ彼女が彼女らしく生活できるように……



彼女が一人暮らししているアパートの隣部屋に、彼女の隣人として、俺も暮らすことにしたのだ。



結婚して、一緒に暮らすだけが全てじゃない。



別々に暮らすことにはなったけれど、俺は完全に彼女と離れたわけではない。

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