第22話

……俺は、もう一緒にいない方がいいのかもしれない。



彼女が、こんなにも俺の存在を拒否しているというのに、



それでも無理に一緒にいさせる必要なんてあるだろうか?



「……ごめんな、美姫」



俺は、その一言だけを告げ、寝室を出た。



そして、スマホを手に取り、電話帳の中から、目当ての番号を探し当てる。



通話ボタンを押し、長いコール音の後、



「はい、伊藤脳外科クリニックです」



看護婦の声ではなく、聞き慣れた伊藤医師の声。



俺は一度深呼吸をして、ゆっくりと告げる。



「美姫の診断書をお願いします。あと、障害者手帳の登録の手続き方法の指導と――……」

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