第10話

そこまで考えて、俺は首を横に振った。



「ん~……まぁ、お前は元々天然ちゃんだからなぁ」



わざと明るめの声で答えたものの、わざとらしすぎなかったかと少し不安になる。



「大丈夫、だよね……?」



言い聞かせるような美姫の声に、俺は返すべき答えが見つけられなかった……



たとえ嘘でも「うん」と頷いてやった方が良かったのか、それは後にも先にも、俺には分からないことだった。

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