白崎蓮斗 — 第4話
第4話 ー 1
(side 白崎蓮斗)
痛い、痛い痛い。
全身が痛くて、まともに呼吸が出来なくて……苦しい。
微かに見える、大切な人の姿。
震える手を伸ばし……その人に触れようとするも、距離感すら分からない。
ひよちゃん。
うつ伏せのままピクリともしない、ひよちゃん。
そんな所で寝ていたら、風邪引くよ。
「大丈夫ですか!?」
「誰か、AEDを持ってきて下さい!!」
騒がしい周り。
遠くから聞こえる救急車の音。
「こっち、男の子はまだ意識があるぞ!!」
「女の子は……」
「早く、こっちこっち!!」
……うるさい、痛い、苦しい。
あれ、ひよちゃん。
さっき……何を話していたっけ。
この後の予定?
カフェに行って……お絵描きの続きをするって言っていたっけ。
そう言えば、美術コンテストがもうすぐだったよね。
それに出す絵を描くんだったか。
何だっけ?
俺の名前に『蓮』が入っているから?
……そう言っていたね。
描けたら、絶対に見せてよ。
ひよちゃん渾身の……蓮の花。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます