第95話

そんな希美の夢の中での台詞など、当然聞こえていない頼斗は、



「……え? 希美?」



突然自分の肩に寄りかかって寝息をたて始めた希美に、



「……!?」



かなり動揺した。



きっと、色々ありすぎて疲れたのだろうとは思う。



思うのだが――



(姫花に殺される……!)



焦った頼斗は、希美をお姫様抱っこするようにして抱えると、姫花の部屋へと急いだ。



「ちょっ、姫花……ドア開けて! 助けて!」



「……は!? 梅ちゃんに何したの!?」



「いや、誤解だって!」



結局は姫花に誤解され、それを解くのに随分と苦労する羽目になった。

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