全員と連絡先が交換し終わった後も、彼女たちは頼斗の傍を離れようとはしなかった。

頼斗はそれを鬱陶しく思いながら、スマホを操作して希美にメッセージを送った。

教室の壁に寄りかかって頼斗の方をぼーっと眺めていた希美は、手に持ったままだったスマホが震えたのに気付き、すぐにメッセージアプリを開く。

『肩痛そうにしてたけど、大丈夫？』

そんなメッセージに、希美の胸がキュッと締め付けられた。

『うん。平気』

送信した直後に、既読が付く。

――ポコンッ

『今日、一緒に帰らない？』

そんなメッセージに、希美の手が止まった。

返事に悩んでいると、

――ポコンッ

またすぐに頼斗からのメッセージ。

『俺のせいでケガさせたから、家まで鞄持つよ』

（あぁ、そういうことね……）

納得した希美は、大丈夫だからと断りの文字を打とうとして、

――ポコンッ

またすぐに届いたメッセージに、

「えっ……」

目を見開いて固まってしまった。

『……ていうのは口実。梅本と一緒にいたいだけ』

そんなことを言われて、ドキドキしないわけがない。

ふと視線を感じて顔を上げると、

「！」

女子生徒たちの隙間から、頼斗と目が合った。

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