気になる……

第36話

翌日の、LHRで。



「えー……じゃあ、今から学級委員長決めていくぞー」



担任のダルそうな声に、



「えー、めんどくさー」



「俺、絶対やだー」



生徒たちからは、更にダルそうな声が。



毎年どの学年を担当しても、絶対に嫌がられると分かっているこの話し合いで、



「誰か立候補はいないかー?」



立候補なんて滅多に出ないと分かっていながらも、聞かなくてはならないのがダルい。



そんな感情が、この担任の声に思いっ切り出ていた。



「……」



生徒たちが一斉に黙ったので、



「じゃあ、推薦は?」



担任は質問を変えた。



こういう時、大抵はスクールカーストの底辺にいる、大人しめではっきり嫌だと言えない生徒が指名されることも珍しくなく、



「……」



中学時代から何度もそんな目に遭ってきている希美は、ぎゅっと目を閉じて俯いた。



(――どうか、指名されませんように……)



そんな願いも虚しく、



「梅本さんがいいと思いまーす」



カースト上位に位置している、ギャル系の派手な女子が希美を推薦した。



「!」



希美が慌てて彼女の方を振り向くと、こちらを意地悪げな表情で見ていたギャルと目が合った。

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