第34話

「仕方ねーから、ヤキモチ妬きなのんちゃんのために今から抱いてやるよ」



賢祐は、そう言うと床に蹲ったままの希美の腕を強く掴むと、ベッドまで引き寄せて希美を押し倒した。



「いやっ……」



「嫌じゃねーだろ。ピルは飲み続けてるんだよな?」



「……ケンちゃんの言った通りに飲んでるよ」



悲しそうな顔で頷く希美を見て、賢祐はニヤリと笑った。



「じゃあ、今日もゴムなしでいいよな」



「待って! それはやめて……!」



希美は慌てて首を横に振ったが、



「うるせーな! 何のために俺がピル代負担してやってると思ってんだ!」



賢祐が希美の頬をピシャリとはたき、かけていた眼鏡が飛んで床の上にカシャンッと音を立てて落ちた。



「痛い……」



「お前が一々俺の言うことに逆らうのが悪いんだろ」



言いながら、手早く希美から衣服を剥ぎ取り――



解しもせずに唾を少し付けただけで、そのまま希美の体を一気に貫いた。



「い……痛いっ……!」



泣きそうな声を出す希美を見て、



「きっつ……やっぱ、のんちゃんの中は最高だな」



賢祐は嬉しそうに笑った。



「ケンちゃん……お願い、もう少し優しくして……」



希美は涙目で賢祐を見上げたが、



「その目、やばっ……ゾクゾクする」



賢祐を喜ばせてしまうだけだった。



(痛いよ……苦しいよ……)



ついに、希美の両目から涙がぽろぽろと零れ落ちた。

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