第17話

みさとと付き合った期間は、およそ10時間程。



自己最短記録を更新した。



彼氏がいる身分なのに、頼斗がたまたまフリーになったのを見て、先約を取ろうとした結果なのだろうが――



そんな身勝手なことが平気で出来てしまうような女など、好きになれるわけがない。



どうせ頼斗のことも、顔がいいから好きになったとか、その程度の気持ちなのだろう。



薄っぺらい感情に、薄っぺらい言葉、薄っぺらい行動。



そんな彼女たちを攻略することは、とても簡単ではある。



優しい笑顔を浮かべて、甘い言葉を並べ立てて、壊れ物でも扱うかのようにそっと触れてやれば――簡単に心も股も開いてくれるのだから。



簡単すぎて、面白くも何ともない。



それなら、死にゲーの方が何万倍も面白い。



どんな手を使っても、全く攻略出来ないのだから。



終わりの見えない先が見たくて、夢中になる。



だから、頼斗にはどうしても、カノジョよりもゲームが大事になってしまう。



そんなこと、本当は全く望んでいないのに。



どこかに、攻略不可能な女はいないものか。



そう思いながら、駅の階段に向かって歩いていると、



「……あれ?」



見覚えのある少女が歩いているのが見えた。

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