第17話
一方、その頃――
唯に自宅まで無事に送り届けてもらった姫花は、
「うわーんっ!」
自室で1人泣いていた。
所詮、外見がいいだけで性格ブスな自分は、唯には恋愛対象として見てもらえないのだと思い知った。
唯に大切にされていると感じたのは、きっと妹のように思われているからで……
自分の勘違いだったと知り、恥ずかしすぎて消えてしまいたいと思った。
それでも、唯への気持ちを捨てることが出来ない。
いつから好きなのかなんて、もう覚えていない。
唯のどこが好きなのかなんて――そんなのありすぎて、一つ一つを挙げていけばキリがない。
姫花に対して意地悪を働く時の、あの楽しそうな笑顔ですらも、好きだと思ってしまう。
あの笑顔を見ると、胸がキュッと苦しくなる。
あぁ、好きだな……
そう思う度に、唯との距離をどうすればいいのか悩んでしまう。
諦めなければいけないのに、好きな気持ちが止められない。
恐らくそれが、姫花にとって最大のコンプレックス――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます