結色。
第73話
純と沙那が仲直りをしてから数日が経ち――
「なぁなぁ、陽ちゃん!」
「……ずるっ……ずぞぞぞ〜っ」
「陽ちゃんて!」
「……」
大学の学生食堂、その一角でラーメン(大盛り)を男らしく食らう陽の向かい側に座った朝日が、陽のことをひたすらに呼び続けていた。
陽が無視を決め込んでわざと音を立てて麺を
そしてその様子を、
「いいのか? 好きにさせておいて」
「……なんで俺に聞くの?」
少し離れた席に着いている純と祐也が心配そうに見ていた。
一番端の席に陽、その左に沙那、更にその左に純、祐也の順で座っているので、本人たちに聞こえないよう小声で会話をする。
バリバリと音を立てて揚げ餃子を食べる陽は、
「あ。ごめん、沙那。お醤油取って」
「ちょお、陽ちゃん無視せんでや!」
隣の沙那から醤油さしの瓶を受け取り、揚げ餃子に少しだけ垂らすと、またバリバリと音を立てて食べた。
口の中のものをごくんと飲み込んでから、
「……さっきから何? ていうか、なんでまた来てんの?」
ニンニク臭を撒き散らしてやる勢いで向かいの朝日を振り向いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます