第66話

彼女の方からキスをしてくれることなんて、ほとんど滅多になくて。



慣れていないせいか、恥ずかしそうにすぐに離れてしまう唇を、



「!」



純が慌てて追いかけて、少し乱暴に重ね合わせる。



「んっ……!」



自然と沙那に覆い被さる姿勢になり、



「……っ!」



純のスイッチが入ってしまった。



沙那の唇を舌で割って、その奥へと侵入させる。



歯を食いしばるようにしてぴったりと閉じられていて、それより奥に進めないので、



「……んんっ……!」



舌先で沙那の歯茎をなぞってやると、すんなりと口を開けてくれた。



「……今の、気持ち良かったのか?」



唇を離した純が訊ねて、



「……」



沙那は答えず、ぷいっと視線を逸らした。



「……言葉で教えてくれないなら、体に聞くしかないな」



純はぼそりと呟くと、



「んむっ……!?」



沙那に噛み付くようなキスを浴びせた。



深く絡まり合う熱に、沙那の頭がぼんやりし始める。



――キスだけで、イけるかもしれない……



沙那がそう思った時、いつの間にか沙那のスカートの中に侵入していた純の手が、沙那の下着に触れて、



「……や、ぁっ……!」



下着の脇から沙那のそこへと、純の指がゆっくりと挿入された。



純をすんなりと受け入れた沙那の入口は、



「キスしかしていないのに、物凄く濡れてるぞ」



既にトロトロに潤っていて、純はニヤリと唇の端を持ち上げた。

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