第13話

恥ずかしいはずなのに、奥深くで感じる快感に、



「……あ……いやっ……」



お腹の奥がキュンとうずいたのが、自分でも分かった。



「……っ!」



純の苦しそうな吐息も聞こえる。



「……沙那っ……あまり締めないでくれ……俺がもたない……」



純の、余裕のなさそうなその声に、



「……あっ……もう、ダメ――っ!!」



沙那が限界に達した。



沙那の内側が、一際強く純を締め上げ、



「……くっ……!!」



純の欲を搾り取った。



沙那はそのまま意識を失い、ベッドに体を沈めて動かなくなってしまった。



「にゃーん?」



スナオが、心配そうな声で沙那を呼ぶ。



そんなスナオを横目でちらりと見た純は、



「……」



無言のまま手早く後処理を済ませ、下の衣服だけを身に付ける。



汗で額に貼り付いた前髪をさっと搔き上げると、扉の所から微動だにしないスナオの傍まで歩み寄った。



「これで、沙那は俺の女だとよく分かっただろう?」



子猫相手に、大人気のない勝利宣言をした。



「分かったのなら、大人しく寝床に戻れ」



リビングにある猫用ベッドに連れ戻そうと、純はスナオへと右手を伸ばし――



「にゃっ!」



スナオが、まるで“嫌だ!”とでも聞こえそうな鳴き声を上げ、鋭い爪を立てた前足を純に向かって振りかざした。

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