第12話

不安な気持ちを押し殺し、純に言われた通りに体の力をそっと抜く。



「いい子だ……動くぞ」



純の優しい声が聞こえたかと思うと、純がゆっくりと動き始めた。



「……あっ……はぁ……」



痛みが、なんとも言えない快感に変わっていくのが分かった。



それでも、純の顔が見えないことが不安でしかない。



そう思っていると、



「沙那……」



純が後ろから、沙那に後ろを振り向かせるように頬に手を添えた。



そのまま、沙那の唇にそっとキスを落とす。



唇が離れ、沙那が目を開けると――



「あっ……!」



寝室の扉の隙間から、2つの蒼色の目がこちらを見ていることに気が付いた。



「みゃおーん」



目を覚ましたスナオが、沙那を探し求めて寝室まで来てしまったようだ。



「スー! スナオが来ちゃった……!」



沙那が慌てて純から離れようとして、



「……見せつけてやろうか」



純は、沙那が離れてしまわないように沙那の腰を両手で掴んだ。



「スー!?」



驚いて純を振り返ると、



「……は……あぁっ……」



純が先程よりも激しく腰を動かし始めた。



スナオが見ているのに、行為をやめるどころかエスカレートさせていく純。



いくら相手が子猫とは言え、あんな綺麗な目で見られ続けるのは流石に恥ずかしい。

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