第10話

ベッドの上に寝かされ、その上から純が覆いかぶさってくる。



「スー、お願い。待って」



「……沙那は、俺とこういうことをするのは嫌か?」



純に悲しそうな目で問いかけられ、



「……」



沙那は、思わず黙ってしまった。



嫌なわけはないし、むしろ――



でも、そんなことは恥ずかしくて言えない。



「……今まで、嫌だと思っていたのをずっと我慢していたんだな」



何も答えない沙那に、純は何を勘違いしたのかそんなことを言い出した。



「あ、違うの! そうじゃなくて……」



沙那が慌てて首を横に振ると、



「そうでないのなら……何だ?」



純が意地悪げにニヤリと笑った。



「あ……」



完全にめられたんだと気付いたが、もう時既に遅し。



純が沙那の首筋に唇を落とし、たったそれだけのことで、沙那の体はビクンと跳ねた。



「言葉で言ってくれないと、分からないだろう?」



いつの間にか背中のホックが外されていて、服諸共に胸の上までたくし上げられている。



露わになった沙那の素肌に、純の唇が滑るように触れていく。



「やっ……ん……」



純に触れられただけで背筋がゾクゾクし、甘い吐息が漏れる。



「可愛いな……」



独り言のように呟いた純は、沙那のスカートの中に手を入れて、太ももを優しく撫で上げた。



「ん……」



沙那の敏感な部分を、指先で下着越しになぞり、



「汚れるから脱ごうか」



慣れた手つきで沙那から衣服を剥ぎ取った。

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