第7話

「何故、その猫がスナオなんだ?」



純が訊ね、



「スーに似てるから、スーの名前もらっちゃった」



沙那はえへへと笑い、



「ぶわはははっ! それ絶対いい!」



陽はウケて大笑いした。



「五十嵐……お前、馬鹿にしているだろう」



純はまたムッとした。



と、その時、



――ピンポーン……



来客を知らせるチャイムが鳴り、インターフォンを確認すると、幼なじみで友人の榊 祐也ゆうやが映っていた。



陽から子猫のことを聞いて心配していたらしい祐也は、リビングに上がり込むなり、



「ぶはっ! まんま桐生じゃねーか!」



子猫を指差して大笑い。



「お前まで何なんだ!」



純はますますムスッとした。



「み〜……」



スナオと名付けられた黒い子猫だけは、沙那の腕の中で幸せそうに鳴いていた。

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