第4話

沙那はとりあえず、震えている子猫を持って来たバスタオルでくるんで抱き上げた。



「どうしよう、この子……」



「連れて帰りたいけど、あたしのアパートはペット禁止だからさぁ」



陽が悔しそうな顔をした。



「沙那のとこはダメなの?」



確か、あのマンションはペット可だったとは思うが……



「スーに聞いてみないと……」



そもそも、あの家は純の家だ。



沙那に決定権はない。



さかきの所もペット禁止らしいし……バイト先の人達に聞いてみるかなぁ」



陽はガシガシと頭を掻きむしった。



「里親が見つかるまで預かってくれるよう、桐生君に頼めない?」



「うーん……」



沙那は悩みながら、腕の中の子猫を見つめる。



蒼い瞳が、とてもではないが他人事のようには思えなかった。



「ちょっと、お願いしてみる」



なんとかして助けてあげたいと思った沙那は、決心したように頷いた。



とりあえず、純が今どんな状況か分からないので、メッセージだけを送ることにした。



『大事な相談があるんだけど……』



と送ると、



『どうした?』



すぐに返事が来た。



かと思えば、



――♪♪♪♪♪♪――



すぐに純から電話が掛かってきた。

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