小陽side~

第9話

有村衆議院議員のパーティで姿を見かけて以来だから・・・


会うのは半年振り。



拓真さんの切れ長の瞳には訝しげな光が宿っていた。


椅子から立ち上がって私の右腕を掴んだ。


強く掴まれた右腕に痛みが走る。


でも、掴まれた腕に妙な熱が集まって来た。


『痛い』と言う私の一言で手がすぐさま離れる。



彼の表情に戸惑いが見えていた。



―――――私と彼の父親は仕事上の知り合いで、家族ぐるみで仲良くしていた。



彼は私と6歳違い。


私のお兄様よりも1歳上年上だった。

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