第8話

「どうぞ。砂糖とクリープもお付けしましたが、副社長の好みで飲んで下さい」


「砂糖もクリープも要らない。俺はブラックで飲むから・・・」


小陽は慌てて自分のデスクに戻ってスケジュール帳を持って来た。


そして、何かをメモし始める。



「何メモってるの?」


「副社長のコーヒーの好みを」


「ふうん」


俺は小陽が淹れてくれたコーヒーを啜った。


元は議員秘書。


秘書の仕事内容が把握してるはず。



「栗原さんは永遠の教育で忙しいから…適当に俺が教えるコトになった。まずはこれ…3部コピーして」



「あ、はい」



小陽が俺の命令で意のままに動くなんて・・・


本当に何だか妙な気分しかしなかった。

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