第5話

季実子のヤツ・・・


昨日まで一緒に仕事していたと言うのに、彼女の口から秘書を降りるなんて一言も訊いてないぞ!!



「俺は小陽と一緒に仕事しろってコトだな」



「そうだ。分かったら、副社長室に戻って仕事をしなさい。拓真」


「…分かりました。社長」


俺は声を荒立てて父さんに返した。


俺の後ろで何も言わず控える小陽。



「拓真…彼女は元総理の大切な令嬢だ。他の女性とは違うからな」


「言われなくても分かってる!行くぞ。小陽」



俺は小陽の方を振り返った。


「はい、副社長」

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