第39話

エントランスでも腕を離してもらえないから


「あの、」



「早く鍵出して開けて」



怒った様な口調で言われてしまって、

私がロック解除するとそのままエレベーターに

乗って玄関まで来て


「早く開けて」と言われたから従うしかなくて


リビングに入るとやっと手を離してもらえた



「あの、継渼くんごめんなさい」



「何のごめん?」



「えっと、何も言わないで、帰ろうとして」



泣きたくないけど涙が零れたから袖口で拭って

これ以上零れない様に上を向くと



「取り敢えず着替えてきて」



「はい」



着替えてから制服を干してキッチンへ行き

飲み物を用意してからリビングへ戻った



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