第38話

バックからミニタオルを取り出して顔と制服を

拭きながら———


制服が濡れていると千夏にも継渼くんにも

バレちゃうよね、


それならこっそり帰ろう



———何とか校門までたどり着いたし

走って駅に向かいホームで電車を待っていると

誰かに腕を掴まれて



「咲多さん何してるの?」



「あっ、あの、」



「何で制服濡れてるんだよ?」



トイレでの事なんて言える訳がないよ



継渼くんも黙っていたけど電車が来ると

腕を掴まれたまま電車に乗り、

それでも離してもらえなくて私の降りる駅で

一緒に降りた



「あの、腕を離してもらえませんか?」



「・・・」



継渼くんは黙ったままだし腕は掴まれたままで歩き出したから私もそれ以上は何も言えなくてそのまま家に向かった



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