第29話

連絡先も交換してその日は帰ったけど

次の日から毎日1回はメッセージのやり取りを

する様にして———



俺のお気に入りの場所へ行ったり、

一緒に勉強したり、夕飯を作ってくれて

一緒に食べたりして咲多さんとの関わりを

持つ様にしたんだ



咲多さんは電車の揺れが苦手だったり

俺のお気に入りの場所で「やっほー」と

言ったり


数学の問が解けると万歳したりと色んな表情を

見せてくれる



話す時は敬語だし、事あるごとに謝るから

咲多さんにとってはキツイだろうけど

俺は禁止にした



ただ両親の事を聞いた時は言葉に詰まって

いたからきっと触れられたくなかったんだな



その瞬間、あの泣き出しそうな笑顔になった



もっと咲多さんの事を知りたい


もっと距離を縮めたい



一緒に登校しないか?と言うと喜んでくれて、

嬉しい約束だと言って微笑んだ



あの泣きそうな笑顔ではなく

いつもそう言う風に笑って欲しい



俺の毎日が咲多さんに染まろうとしていた——



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