第26話

キラキラと気持ちのいい日差しが注がれる。

とても空気の澄んだ、気持ちのいい朝。

そんなの気持ちのいい1日が

始まるに決まっている。


「おっはよーコウちゃん!!

 …って、えええ??!顔色悪くね!?」


下駄箱に向かって行くと、一足先に雀がいた。

元気よく挨拶してきた雀は、

入れ替えたばかりの上靴をポトリと落とした。


マフラーに埋まっていた口を出して、

うぃーす。と弱々しい挨拶。

自分の靴箱までフラフラと歩いてく。

さわやかな笑顔で。(真っ青)


みんなには隠してる(つもりだ)けど、

実は昨日よりも体調わりい…

現在進行形で急低下中。

正直、家を出てきた時よりさらに悪い。

でも、学校を休むわけにもいかないので、

無理矢理登校してきた。


俺って偉いな……

流石、今まで無遅刻無欠席の優等生。


「あ”~…?んなこたねーよ…」


ほら。ゲンキ、元気~と、

ラジオ体操第2のポーズ。

そんな俺を見て雀も同じくらい青ざめた。


「全然元気じゃねえよおおおおお

 プルプルしてる近所のおじーちゃんかよ??!

 保健室!保健室いこ!?ね?!!」


そう言いながら、俺の肩をがっしりと鷲掴んで、

ブンブンと体をゆらしてきた。

おかげで俺の目は白目をむいていた。


頭と胃が前後にシェイクされ、

さらに気持ち悪くなり。

やめろおお、やめろおおと心の中で叫んだが、

奴には届かず。そのままダウン。(チーン)


「あれ?コウちゃん?コウちゃん!?

 あれ!?あっれれー!?」


おっかしーぞ、てか。


あー…保健室だけは止めてくれ。

またあんなことになりたくない。

俺は健全な男子だ。男に興味なんかない。

キスなんかしないでくれ。


小さく俺がうなされているのも気づかれず。

雀の声が遠ざかっていくのがわかった。


「…誰か!

 誰か助けてくだすわぁぁぁあああい!!」


…まって。

その元ネタ、わかる読者いるの?

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