第25話

「コウちゃん帰ろうぜ!」


放課後。雀が俺の席へ近寄ってくる。

机の奥に入っていた、グチャグチャなって

なんの紙だったかわからないプリントを、

うわー…と見ながら、

カバンにつっこんでいる最中だった。


「…ひっどいな」


「うっせ。」


O型の雀に言われたくない。

お前も俺と似たようなもんだろ。


「てかおま、部活は?」


今は調子がいいが、朝が朝だったので

一応俺は休むけど、雀はどうしたんだろ。

雀を見上げると、ちょっと気まずそうに

目線を俺から外す。


「あぁー。まあ。なんかだりぃし。

 今日はパスしたんさー」


「お。そっか。めずらし。

 つか部長がそんなのでいいのかよ」


「うっせ。」


「はは。まぁいいや。帰ろうぜ~」


その場は流したけど、何かが不自然だった。

立ち上がってカバンを背負う。

部活のない日は、一緒に並んで帰るのが

当たり前な俺達。

いえーい!帰ろーぜ★と

はしゃいでいる雀の横顔を見て、

妙なひっかかりを感じていた。

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