第23話

「あ。すまん。つい。」


「いって!もおお。

 これ以上ケガ増やすなよ~」


どつかれた頭を撫でつつワザとらしくいう。


教室の窓側の隅。

二つの席を使って、雀が前の席のイスを

逆の方向で座っている。

暖かい日差しが入ってくる。

これは、絶好の光合成日和だ…


(ひなたぼっこ日和と言いたい)


「や。だから。

 俺のスペシャル右フックには

 事情があってだな。」


その、”海底先輩”なる変態野郎と、

たまたま来た雀がタブって見えた事を話す。

ほう、なるほど。と雀は縦に首を振る。


「まあ、でも。わかる気がするな」


少し微笑みながら俺を見ていた。


「何がだよ?」


「コゥちゃんかわいいもん♪

 キスしたくなるわな、そりゃ。」


そう言うとニシシと笑った。

ふいに言われた言葉に

反射的に顔が熱くなる。

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