第9話

保健室が日光でカーテンの色に染まる。

その光源だけを頼りに窓側のベットに近づく。

こんな体調の悪さも、寝りゃあ治るだろ。


(なめれば治る、と同じ単純思考)


靴を脱いで体をベットに投げ込んだ。

ゴソゴソと上着が邪魔になり、

それも脱いで、横の椅子になんとか投げる。


やっと一息ついて、仰向けになる。

歴史ある高校…って感じの天井を見つめる。

今年で確か103年目だとか。

どおりで、あちこち汚ねぇのな。




『コウちゃん、かんわい~から、

 俺、保健室で襲っちゃうかもよぉ~?』



ぼんやりしていると、

ふいにさっきの雀の言葉を思いだした。

ついでにあの、腹立つふざけた顔も。


今更だけど、あいつ何言ってんだ。

可愛いとか気持ち悪いこと言ってたな。

俺はりっぱな男だっての。可愛いって面でもねぇ。

声もわりと低いし、身長だって175はある。


あ。雀は去年、180センチいった

って自慢してきたな。腹立つな。

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