第7話

「はいはい。

 変なこと言うなよ、気持ち悪い。

 じゃ、そんな変人空一くんは止めておいて…」


「アー!じゃごめんなさい!

 俺、行きます行きます!

 授業さぼりたいし行きます!」


「なおさらじゃねーか。」



矢島っちは呆れた顔で

出席名簿を肩にトントンと叩く。

クラスの奴等はそのやりとりを見て

また笑い出す。


…まて。この調子じゃラチがあかねぇぞ?


おめぇら俺をネタにして笑ってる間も、

俺の体調は今の政権並に右肩下がりなんだぞ。



「あぁ~も~。いいよ、矢島っち。

 俺1人で行けるからさ。」



そう言って、力なくふらりと席を立った


「げ。大丈夫か?

 しかも今日は保健のおばさん、

 出張でいねぇぞ??」



教室のドアに手を掛けると、

俺の背後で、意外に心配そうな声がする。

一応、先生らしい言葉はでてくるらしいが。


とりあえずそのチュッパははずせー?



「ベット借りて

 寝るくらいなんで大丈夫っすよ。」


「そか?じゃ、しばらく寝ておけ?

 お前が思う以上に本当に顔色悪いから。 

 あ。代行の先生くらいは

 いるかもしれねぇな~?

 まぁとりあえず行ってこい。」



矢島っちのたるそうな声。

その言葉を聞き終え、扉を閉める瞬間、

大げさなあくびの声が聞こえた。


代行の先生がいるかどうか、

絶対職員会議で話しがあったはずだろ。

と言いそうになったが、その力さえも

今は勿体ないので保健室に向かう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る