第18話

私が買い物帰りに、ちょっと重たくなった荷物を1度地面に置いた時だ。

小さな小学生くらいの女の子が声をかけてきた。


「おばちゃん、大丈夫?荷物重たいなら若菜が持ってあげようか?」

いきなり声をかけられたので、びっくりして顔をあげたが、可愛らしい少女の顔を見て笑顔になるのがわかった。

「ありがとう。でも、少し重たかったからで、お嬢ちゃんに持たすには、申し訳ないよ」

「そんなことないよ!若菜は力持ちだし。おばあちゃんが居た頃は、いっぱいお手伝いをしたんだ」

「へー!それはおばあちゃんは助かったよね。お嬢ちゃんのおばあちゃんが羨ましいな」

こんなに可愛らしい孫と買い物か。

私には無縁の人生だ。

「おばちゃんの家は何処なの?」

「私の家は、この先の角を左に行った小さなアパートだよ」

「そっか。なら、若菜のうちに近いし、やっぱりお手伝いするよ」

「いやいや、いいよ。お母さんやお父さんに言われてない?知らない人に話しかけて、怒られちゃうよ?」

「大丈夫。二人とも仕事でいないし、おばちゃんは危ない人じゃないでしょ?」

私は、ニコニコ笑ってしまった。

危ない人が、自分から私は危ない人ですよ。とは言わないだろう。

この優しい少女に私は、お願いをしようと思った。

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