第14話
僕の人生は何の為にあるのだろうか。
そんなことを考えはじめたのは中学一年頃だったかな。
派手な目立つタイプではないが、地味で目立たないタイプでもなく、なんとも普通がよく似合う僕は今は32歳だ。
今の会社に入社して6年目になるが、仕事がすごく出来るわけでもないが、全く使えないポンコツでもなく、やっぱり僕は大人になっても普通だ。
「よ!和也。何、まだ仕事?残業するのかよ」
「いや、仕事は終わったよ」
「なら、今日は食べて帰らないか?」
「いいよ。俺も今日は、そんな気分だったから行こうぜ」
僕達は会社を出ると駅の方へと向かった。
「俺さ、最近なんか辛いんだよ」
「なんだよ急に重い話はやめろよ?そんな気分じゃないよ」
「いやいや、重くないし。冷たくないか?」
「冷たくないだろ。本当の事をいってやったんだ、愛情だよ愛情」
「そうやって」
「そうやって?なんだよ。そうやってなんだ?」
僕は彼を詰めながら笑っていた。
駅を少し過ぎた先にある、小さな飲み屋がある。
ここへは週2、3回来る。
料理が特別美味いなど何か特徴があるわけではないけど、家庭的で少し濃いめの味付けを僕達は気に入っている。
店に入ると、数名いた。
僕達はカウンターの端に横並びに座った。
注文をお願いすると、すぐに飲み物が出されて、僕らはなんとなく乾杯の雰囲気を出して一気に飲む。
「でさ。話の続きなんだけどさ」
すぐに先程の最近辛い。の話だろうと予測できた。
「ああ」
僕は相槌をうつ。言ったじゃないか、そんな気分じゃないと。重い話は聞きたくないと。
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