第8話
部屋は5.5畳の狭いワンルーム。特に不便な事はなく、すぐに手の届く範囲に何でもあるんだ、寧ろ便利だ。
冷蔵庫から昨日も食べた南瓜の煮物を出すと、小さなローテーブルへ運ぶ。
静かな部屋で静かに食べる、自分の咀嚼音が部屋に響きそうなくらい静かだ。
市役所には、いつ行こう。
そんな事を考えながら1日の終わりを迎える。
「あら、今日は佐々木さん休みなんだって、体調でも、崩したのからしらね」谷さんが言った。
「私達もいつ壊れるか、わからないからねー」
ガハハハと大きく笑う山岸さんは谷さんより5つ若い。
元気があっていいことだ。
同い年なのに、私はあんな風に元気にはなれない。
さぁ仕事をはじめよう、二人より先に仕事を開始した。
平日でもショッピングセンターは、それなりに人がいる、小さな子供を連れた母親達がフードコートで話しながら忙しくしている。
同じくらいの年代だろうか、仲良く買い物をする夫婦だろう人達、学校は今日は試験なのか、学生もいる。
色々な人を見ながら私はいつも掃除に力をいれている。
トイレ清掃中の札を立てているのに、全く気にする様子も見せないで拭いたばかりの洗い場に手をブンブンと振り水をとばす人もいれば、申し訳なさそうに「いいですか?」と丁寧に入りハンカチで丁寧に手を拭く人もいる。
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