第7話
夫が亡くなったのは息子が16歳の頃だった。
元気いっぱいで病気一つしないような男で、毎日を楽しそうに過ごしていたのが嘘のように朝ベッドの中で冷たくなっていた。
いつもの時間に珍しく起きてこず私が起こしに行った。
夫はいつも病気なんてしないと笑っていた、会社の健康診断もいつもAばかりがズラリと並んで自慢気に私に見せてくれていた。
人の死なんて神にしかわからない。
それが、自ら選択出来る世の中になるなんて、なんて素晴らしい。私は個人的にそう思った。
「あら河畑さん今日は何だか元気じゃない?」
「そう?」
「そうよ!何だか表情が明るいわ」
「嬉しいこと言うじゃない?ありがとう」
清掃スタッフとして働く仲間の谷さんだ。
いつも元気よくパワフルおばあちゃんって感じだ。
おばあちゃんなんて呼ぶのは失礼かもしれない、見た目も80には見えない。元気で明るく若々しい人だ。
仕事も終わり帰宅する。食事に時間はかけない。
米は一回で3合ほど炊き小分けして冷凍。
おかずは、たくさん作った物を同じように冷凍にしたり、3日くらい同じ物を食べたりする。一人なので十分だ。
家族がいると、おかずの量も品数も栄養バランスも考えなければならない。
一人なんて本当に楽だ。
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