第4話

「今日どうだった?」

「聞いてはいたけど思ってたより簡単ねー。サインして終わりよ?お葬式も本当にないし、無しに丸つけて正解だったわ」

「へー、そうなんだ。会社でも聞くけど、お互いに意見が合えば結構いいって聞くもんな」

「ほんと、私も聞いてた通りでびっくりしちゃった。とりあえず片付けは業者に週末依頼してあるから」

「おう、わかってるよ週末で終わらそう」

「やだ、若菜!早く手を洗ってきなさい」

私がいないと思っていたのだろう、ママは驚いた顔で私を部屋から出そうと指示を出した。


母親に言われたので仕方なく洗面所へ向かう。

手を洗っている間、パパとママが話している声が聞こえる。

「あの子、お母さんの事、好いてたじゃない?心配してたけど思ったより取り乱した感じもなくて良かったわ」

「まあ。でも気にはしてやらないと」

「わかってる」


おばあちゃんを殺しておいて、あんなに普通に当たり前のように話してる。

平気な顔して、信じられない。

パパもママもおかしいよ。

安楽死制度。友達からも聞いた事はあった。遠くに住むおじいちゃん、おばあちゃんが安楽死制度を使ったと言っていた。特に仲良くもなかったし悲しくはなかったと言っていたけど。

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