第19話

目の開け方さえ分からないほど私の体、声は力が入らなくて。それでもなんとか、無理矢理目を開けると…



真っ黒な、耳に髪がかからないほどの短髪、アゴには短くヒゲが生えていて、とてもワイルドな人が、顔に似合わないような心配そうな瞳を私に向けていて。



この人も綺麗な顔だけど…



さっき見た人の方が現実離れするほどの綺麗さだった。綺麗すぎて簡単に壊れてしまいそうな…



そういえば…



この人は、あの神様のお手伝いの方なのかな。私を“あっち”の世界へ連れて行くお手伝いさん。




「お嬢さん?大丈夫ですか…?」 



そんな子供じみた夢を考えてた私を現実に戻す声が聞こえた。

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