第16話

信じられない颯の行動に、一瞬動けない俺がいたがすぐ銃を構え颯の護衛にまわった。



もうサイレンの音が聞こえ始め、周囲もますます騒ぎ出した頃、俺の後ろの話し声はなぜだかはっきり聞こえた。



「悪いな。痛むと思うが今だけだ。

すぐ病院に連れて行く」



「か…みさ、ま?」



「…フッ」



信じられなかった。



颯は男女、それに子どもだって関係なく、女に優しく諭しているような話し方なんかしたことなかった。

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