第15話

「颯!!女の子が撃たれた!!

ここに置いとくのはまずい。車に乗せるぞ」 


走りだしながらそう言うと、颯も女の子を目視していたのか俺と同時に走り出していて。



珍しい…


いや、おかしいと思った。


女なんか道具としか思わない颯が、車に乗せることさえ嫌がると思った。こいつならここに置いておくことさえ何も思わないのに。



女の子の前に到着すると顔色も、流れる血液も尋常じゃなかった。


…やばい



「っ!!はやく病院に」



余りの血液の量に一瞬躊躇した自分がいたが今にも折れてしまいそうな細い体を抱き起こした時だった。


「はや、て…?」

 


「行くぞ」




俺の腕の中にいた女の子を颯が抱いていて、それは少しでも衝撃を与えないようにしているのが見て取れるぐらい。

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