第12話

けたたましいタイヤの音が響く中、咄嗟に秋の名前を呼ぶことしか出来なかった俺と、颯が秋にハンドルを右に切れということを伝えたのはほぼ同時で…



俺らの車が右手の店に突っ込む中窓から見えたのは、正面から俺らを狙って突っ込んできた車が、俺らがぎりぎり避けたことによって後ろから尾行してた車に突っ込むところだった。




「くそっ!こんなところで!」



シートベルトをしていたおかげで体は吹っ飛ばなくてすんだものの、すごい衝撃で…



でも今はそんなことを言ってる場合じゃなかった。敵に囲まれないようすぐさま外に出て、車を盾にし辺りをうかがう。



幸い相手が正面衝突し重傷なのか、外には誰も出てきていなかった。

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