ぶつかったバレーボール

第27話

朝の一件でやや気分が落ち込み気味だったから、少し発散が必要だった。

だから、気分転換を含めて咲に言った。




「中間テストも近いし、今日一緒にうちでテスト勉強でもしない?」




自分には兄妹がいないから、咲が姉妹のような存在。

いつもの軽いノリで自宅へとお誘いしている。




普段の咲なら、『うん、行く行く』と嬉しそうに返事をしてくるんだけど…。

今日は表情がやや曇り気味に。




「……ごめん。実は今日図書館で彼とデートの約束をしていて」


「そっかそっか。急でゴメ…」




……と、言いかけた次の瞬間。




バシッ…


練習中のバレーボールがタイミング良く頭に直撃する。




「愛里紗っっ!!」


「ごめーん!江東さん…大丈夫ー?」




飛んで来たボールと共に勢いよく後ろに倒れ込んだ。

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