第五章
複雑な思い
第26話
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「…さ……。愛里紗」
体育の授業中のバレーボールの出番待ちの最中。
ボーッとしながら理玖の言葉を何度も思い返して上の空になっていると、体育館のコート脇で並んで座っている咲が、隣から何度も話しかけていた事に気付いた。
「…ごめんごめん。ボーッとしていて話を聞いてなかった」
「今朝からなんか変だよ。学校に来てからずぅ〜っとそんな感じ」
咲は首を傾けながら、愛里紗の顔を心配そうに覗き込む。
通学時に駅で理玖と遭遇してから、何をしても気が逸れている。
最後に伝えてきたひと言がどうしても気になって仕方ない。
「もしかして、具合良くないの?」
「ううん、全然元気!大丈夫」
咲には元彼に再会した事を言わなかった。
…って言うより、何となく言い出しにくかった。
その理由は、理玖の話をまだ一度も話した事がなかったから。
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