気持ちの温度差
第16話
彼はすらりと高い身長で黒髪のやや癖っ毛。
下校時の今は学ランを着ている。
身長が180センチを超えている上に美形だから、見つけるのに時間はかからない。
「居た……。夢じゃない……」
約束の場所に本当に来てくれるなんて夢みたい。
つい先日までは、手の届かない存在だったのに。
咲は乱れた呼吸を整えて拳を胸に当てて一度心を落ち着かせてから、彼の前へ一心不乱に駆け寄った。
「翔くん。遅くなってごめんね」
「…そんなに長く待ってないから」
常に緊張感に包まれている咲とは対照的な翔は、無表情のまま小説をカバンにしまう。
今は気持ちの温度差があっても仕方ない。
翔くんは告白を受け入れてくれたばかりだし、人を好きになるには時間がかかるもんね。
ゆっくりと距離を縮めて、恋人として少しずつ成長していけばいいよね。
きっといつかは私を好きになってくれるよね。
今は隣にいれるだけで満足だよ。
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