愛里紗の髪型

第8話

ーー翌日。


咲と母親と三人で朝食を済ませた後、咲とお互いの髪をセットする事に。

咲はドレッサーの椅子に座ると、口元を微笑ませながらこう言った。




「今日は愛里紗と同じ髪型がいいな。お願いしまーす」


「はい、キタ。任せて!」




因みに私の髪型とはゆるふわの片結び。

咲の柔らかい髪にコテを順番にあてていく。

カールは徐々に作られていき、パーマをかけたような雰囲気に。

最後はゴムが見えないように、少量だけ取った髪の毛を上から巻いてピンで止めるだけ。


簡単で可愛いく見えるから、何となくいつも同じ髪型に。





咲は二週間に一度くらいのペースで泊まりに来ている。

頻繁にお泊まりするのには少し事情がある。





昨晩から、やっぱり咲の様子がおかしい。


肩を並べながら通学している今だって、髪をいじったり、物思いにふけってるようにため息をついたり。

毎日一緒にいるせいか、微々たる変化に気付いたりもする。


泊まりに来る前まではいつも通りに見えたのに。

気のせいかな……。

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