咲の新しい彼氏

第9話

ホームルームが終わっていつも通り咲と一緒に帰ろうと思い、机の中の荷物を鞄へと移してしている咲に声をかけた。




「咲、一緒に帰ろっ!」




すると、見上げた咲は少し表情を曇らせながら言った。




「ごめん……。今日はちょっと用があって」


「あっ、ううん。用事があるなら仕方ないよね。じゃー、先に帰るね。……バイバイ」



「バイバイ……」




手を振り返してきた咲の表情は、何故か暗い。

昨晩、今朝、そして今。


再三に渡る異変に引っかかるものを感じたけど、必要以上に問い詰めなかった。







ーーだけど、翌日。




「昨日、彼氏が出来たよ」




咲は登校直後に新しく出来た彼氏の報告をしてきた。

その様子は昨日とはうって変わり晴々しく微笑んでいる。




愛里紗はそんな姿を見るなり、昨日は意中の彼に想いを告げる為に心の準備をしていたという事を知る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る