イケメントリオ

第11話

「最近、大和やまとそうとは遊ばないの?」


「夜、遊んでるよ。クラブで…。」




蓮に先生と引き裂かれてしぶしぶと教室に戻る途中、蓮と別れてから暫く会話を交わしていない、他のクラスの大和と奏の近況について尋ねた。




蓮、大和、奏は1年生の時からの仲良しイケメントリオ。



童顔でアイドル系の蓮

金髪でワイルド系の大和

美形で王子様系の奏


三人揃って歩いているだけで、パッと目を引いてしまう。

モデル並みにすらっと高い身長に、三人とも美形。

イケメントリオはマネキンのようで、文句の付けどころがない。




当然、彼らは学校内で有名人。

どの学年にもファンは存在する。

例え芸能人になったとしても、この学校の生徒は誰一人驚かないだろう。



彼らとすれ違いざまに、振り返らない女子なんていない。

私も蓮と付き合う前は、すれ違いざまに眺めるファンの一員だった。




昔からイケメン好きで、アイドルのようなかわいらしい顔つきの蓮が劇的にタイプだった。


イケメントリオの中でも、ダントツで蓮。

初めて見た瞬間、私のハートは射抜かれた。


世間一般で言われている、あの一目惚れってやつだ。






だけど……。


いざ蓋を開けてみれば、しょーもないエロ。

しかも、尋常じゃないほどバカ。

あんなにキレイに整っている顔つきでも、性格は欠点だらけ。



だが、完璧過ぎないギャップも、私の中ではどストライクだった。

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